Ikkoku-Kan Is Forever..!!のブログ

バイトをして大学に行くお金を貯めながら時間を見つけて少しづつ本を読もう。

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

戦後啓蒙と丸山眞男(6)

丸山思想史の展開 いまから取り上げるのは、一九六四年から六七年までの『講義録』である。丸山はこの中で、仏教、武士のエートス、キリスト教、儒教と、そこに自由を実現するための可能性、すなわち超越者や普遍者の可能性を探していく。しかし、結論から言…

戦後啓蒙と丸山眞男(5)

前述したように、丸山の研究生活は徳川時代の研究から始まった。そしてここまでは、その思索のなかで丸山がどのように近代を見つけようと試みたのかを確認した。そしてこれからみていく戦後の思索の特徴は、その〈江戸〉が丸山思想史のストーリーのなかに位…

戦後啓蒙と丸山眞男(4)

一九三五年夏。丸山は友人と二人で宮城県刈田郡越河村(現在の白石市越河村)の定光寺にいた。大学二年の夏である。緑会懸賞論文を書くため、寺に籠って勉強しようというのだった。勉強する丸山を寺に残して一人遊びに出かける友人は猪野謙二である。このと…

戦後啓蒙と丸山眞男(3)

丸山眞男の死去[i]がはじめて新聞各紙に報道されたのは、一九九六年八月一九日の朝刊だった。紙面には、戦後の平和運動、あるいは六〇年安保闘争の理論的指導者としての丸山眞男の姿が踊っている。[ii]総じて新聞記事を読む限り、丸山眞男が「政治思想史研究…